私はある日、夢を見ました。
人材派遣会社に登録しようとしている夢で、
窓口は、四列に並んだ人々が、永遠に続くのではないか?
と思えるほどの、長蛇の列でありました。
私も、好きではないのに、経理ができるという理由で、
その列に加わっていました。
しかし、その長蛇の列は、一生、自分自身の欲望の、
奴隷として暮らす道である、と
伝えられて、私は列を離れました。
みんなの進んでゆく方向とは、反対の方向へと、
私は歩いてゆきました。
どこまでもどこまでも歩いてゆくと、
そこに一台の軽トラックがあって、
荷台には、この地でとれた、季節の野菜や果物が、
荷台いっぱいに積んでありました。
それは、私がこの地にいるだけで、無償で与えられる、
一年間分の、食べ物であり、
産土の神様からの恵みであることを知りました。
産土の神様と、ともに、この地で生きる。
私は、そう決心しました。
産土様のいる地で、生き物をいじめてはいけない。
悪く言ってもいけない。
草花や木を、むやみやたらに切ってもいけない。
産土様に愛されて、幸せになるというのは、
人間も生き物ですけれど、
生き物が守るべきことをちゃんと守ること、
ただそれだけで、幸せになれるのだということを知りました。
本当は、私たち一人一人には、もうすでに必要なものは、
すべて与えられているのですから。
雲雀(うんじゃく)